【ストリートインタビュー in 熊野古道】8組20名のインタビューから見えた外国人観光客の本音
はじめに:なぜ今、「日本ファン」の生の声を知るべきなのか?
インバウンド集客を考えるとき、多くの店舗が最初に悩むのは「英語メニューを作るべきか」「SNSをやるべきか」「外国人向けの広告を出すべきか」といった施策です。
もちろん、それらも重要です。しかし、今回の外国人観光客8組へのインタビューから見えてきたのは、もっと手前にある現実でした。
彼らは、まずGoogleマップを見ています。
“Mainly exclusively. Google Maps.”
「ほぼGoogleマップだけです」
— アメリカ・ウィスコンシン州から来た4人家族
この一言は、今回のインタビュー企画全体を象徴しています。外国人観光客にとってGoogleマップは、単なる地図ではなく、店舗検索・口コミ確認・営業時間確認・ルート案内までを一体化した行動の起点になっています。
今回インタビューしたのは、アメリカ、カナダ、フィリピン、オーストラリア、フランス、ドイツ、ベルギー、台湾、中国など、国籍も年齢も異なる外国人観光客です。20代の若者から、50〜70代の旅行者まで幅広く、滞在期間も6日間から1ヶ月までさまざまでした。
しかも、彼らは単なる「初めて日本に来た観光客」ではありません。
このインタビューは、ユネスコの世界文化遺産でもある和歌山県の観光名所、熊野古道の道中で実施しました。そのため、10回以上日本を訪れている台湾人旅行者、東京に住んでいた経験のあるドイツ人ビジネスマン、2週間ほぼ和歌山のみに滞在するベルギー人一人旅、農泊や熊野古道のようなローカル体験を求めるアメリカ人女性など、かなり深く日本を楽しもうとしている“日本ファン”が多く含まれています。

今回インタビューした外国人観光客の属性
この記事は、和歌山・熊野エリアを訪れていた外国人観光客8組20名へのインタビューをもとにしています。対象者は、初めて日本を訪れた旅行者だけでなく、10回以上日本を訪れているリピーターや、かつて東京に住んでいた元在住者も含まれています。
INTERVIEW PROFILE
8組20名の外国人観光客に聞いた
「日本でのお店探し」のリアル
インタビュー数
8組20名
家族・友人・カップル・一人旅
年齢層
20〜70代
26歳、55歳、63歳、68歳、70歳など
滞在期間
〜1ヶ月
2〜3週間の長期滞在者も多数
国籍・地域の内訳
- アメリカ:小さなお子様連れの4人家族
- アメリカ:60代のの女性2人組
- カナダ・フィリピン:20代の女性2人組
- オーストラリア・カナダ:60-70代の男女4人グループ
- フランス:20代の男性2人組
- ドイツ:60代のビジネスマン
- ベルギー:30代の女性一人旅
- 台湾・中国:20代のカップル
今回の対象者に共通する特徴
- 東京・大阪・京都だけでなく、和歌山・熊野古道など地方にも関心がある
- 訪日経験は、初訪日〜10回以上と、ヘビーなリピーターを多く含む
- 観光客向けの定番スポットだけでなく、ローカルな体験を求めている
- Googleマップ、レビュー、写真、営業時間を実際の来店判断に使っている
- 日本の店舗やサービスに対して、もともと高い信頼を持っている
※本記事は、外国人観光客8組へのインタビュー記録をもとに作成しています。
だからこそ、彼らの行動は参考になります。
表面的な「外国人観光客はこうだろう」という想像ではなく、実際に日本を好きで、何度も訪れ、コアな目的地や、地方にも足を運ぶ旅行者が、どのようにお店を見つけ、何を信頼し、何を気にしないのか。
この記事では、8組20名のインタビューから見えた、外国人観光客のリアルな店舗選びを整理します。
圧倒的シェア。情報収集の主役は「Googleマップ」
今回のインタビューで最も明確だったのは、Googleマップの利用率の高さです。
アメリカ・ウィスコンシン州から来た4人家族に、レストランやお店を選ぶときに何を使うかと聞くと、「Mainly exclusively. Google Maps.」と答えています。つまり、ほぼGoogleマップ中心です。
ベルギーからの一人旅の女性も、GoogleマップとGoogle翻訳を使うと答え、InstagramやFacebookなどのSNSは使っていない様子でした。オーストラリア・カナダ系の3人組も、日本では各人「90%、99%」Googleを使うと話しています。
もちろん、全員が常にGoogleマップだけで選んでいるわけではありません。歩いていて良さそうなお店に入る人もいますし、旅行会社やツアーに任せる人もいます。1組の台湾人旅行者のように、食事の種類によって食べログとGoogleマップを使い分けるケースもあります。
それでも、全体として見れば、外国人観光客にとってGoogleマップは、店舗選びの入口であり、現在地から目的地までの導線そのものになっています。
店舗側から見ると、これはかなり重要です。
なぜなら、Googleマップ上での見え方が悪いと、そもそも比較対象に入らない可能性があるからです。看板、外観、口コミ、営業時間、写真、現在地からの距離。これらが一つの画面上で比較されます。
つまり、外国人観光客にとってGoogleマップは、単なる地図ではありません。
検索エンジンであり、口コミサイトであり、店舗の第一印象を決めるランディングページです。
「食べログ」とGoogleマップの使い分けのリアル
特に興味深いのが、台湾人カップルの回答です。
“But if it is just a normal meal, we just need to have a quick meal, anyway, ramen, udon, I will use Google Maps.”
「普通の食事、たとえばラーメンやうどんのように手早く食べたいときはGoogleマップを使います」
“When finding sightseeing spots and shopping malls, I will use Google Maps. When finding a restaurant, especially a special dinner, a special meal, whether it is lunch or dinner, I will use Tabelog.”
「観光地やショッピングモールを探すときはGoogleマップを使います。レストラン、特に特別なディナーや食事を探すときは食べログを使います」
— 訪日10回目の台湾出身のリピーター旅行者
当該の台湾出身の男性は、日本には10回以上来ており、日本語も読める旅行者でした。彼は、観光地やショッピングモール、普通の食事を探すときにはGoogleマップを使う一方で、特別なディナーや特別なランチを探すときには食べログを使うと話しています。
この使い分けは非常に現実的です。
- 観光地を探す
- ショッピングモールを探す
- 近くのラーメン、うどん、軽食を探す
- 現在地から行けるお店を探す
こうした日常的・即時的な検索ではGoogleマップが使われます。
一方で、特別な食事や、事前にしっかり調べたい食体験では、食べログのような日本国内向けの専門サービスも使われます。
ここから分かるのは、外国人観光客向けだからといって、Googleマップだけを見ていればいいわけではないということです。特に高単価の飲食店、予約型のレストラン、記念日利用が想定される店舗では、食べログや公式サイト、予約ページの整備も重要になります。
ただし、通常利用の多くはGoogleマップが入口になります。
「とりあえず近くで良さそうなお店を探す」という場面では、Googleマップ上でどれだけ魅力的に見えるかが、来店の分かれ目になります。
評価・距離・営業時間、そして「写真」の重要性
Googleマップ上で旅行者が見ている情報は、かなり具体的です。
アメリカ人家族は、まず「距離」を見ていました。歩けるのか、公共交通機関で行けるのか。次に営業時間。そしてレビューです。
“Distance. If it is walkable or can we take public transport? Opening hours is another. And also reviews.”
「距離ですね。歩けるのか、公共交通機関で行けるのか。営業時間も見ます。それからレビューも」
— アメリカ人家族
また、台湾人旅行者は、最初に星の数を見て、その後に写真とメニュー、コメントを確認すると話しています。フランス人男性2人組も、まず星の数と写真を見て、同じような評価であればレビューを見るという流れでした。
ベルギー人女性はさらに明確で、最初に見るのは「写真」だと答えています。加えて、Googleストリートビューを使い、実際に歩く前に周辺の雰囲気をバーチャルに確認すると話していました。
“Photos. I use street view, you know, so I can go on a walk virtually.”
「写真です。ストリートビューも使います。実際に行く前に、バーチャルで歩けるので」
— ベルギー人一人旅の女性
意外な回答かもしれませんが、店舗側にとっては重い意味を持ちます。外国人観光客にとって写真は、入店前に不安を取り除くための最重要情報の一つです。ここから店舗側が学ぶべきことは明確です。写真は、外国人観光客にとって“入店前の下見”です。
特に日本語が読めない旅行者にとって、写真は文字以上に強い判断材料になります。
- 店内は清潔そうか
- 入りやすそうか
- 料理はおいしそうか
- メニューの雰囲気は分かるか
- 外観から場所を見つけやすいか
- 一人でも入りやすいか
- 観光客でも失礼にならなさそうか
これらを、彼らは写真から読み取っています。
店舗側がやるべきことは、過度に作り込んだ広告写真を並べることではありません。むしろ、実際に来店する前の不安を消す写真を揃えることです。
具体的には、外観、入口、店内、看板、メニュー、代表的な商品・料理、決済方法が分かる写真などです。これらが整っているだけで、外国人観光客にとっては「行っても大丈夫そう」という安心材料になります。
ポイント:「英語」より「日本語」のクチコミ投稿を信頼する
多くの日本の店舗オーナーは、外国人観光客向けには英語レビューが重要だと考えがちです。
もちろん、英語レビューがあること自体はプラスです。英語で好意的な口コミがあれば、外国人にとって分かりやすい安心材料になります。
しかし、今回のインタビューで見えてきたのは、少し違う現実でした。
“I prefer with the local reviews. Because I’m searching this year for not touristic places.”
「ローカルのレビューの方がいいです。今年は観光客向けではない場所を探しているので」
— 60代のアメリカの女性
日本ファンの外国人観光客ほど、日本語レビューやローカルな口コミを重視する傾向があります。

これはかなり重要なインサイトです。
彼らは、日本に来てまで「外国人に人気の店」だけを探しているわけではありません。むしろ、観光客向けすぎる場所を避け、地元の人が行くような店、ローカル感のある店、本物らしい体験を探しています。
日本人が残す「厳しめのレビュー」を知っている外国人たち
フランス人男性2人組は、英語レビューより日本語レビューを好むと話していました。
“I know that Japanese people rate bad compared to European people.”
「日本人はヨーロッパ人に比べて厳しく評価すると知っています」
— フランス人20代男性
その理由として、日本人はヨーロッパ人よりも評価が厳しいと認識しているからです。彼らは、その情報をフォーラムやRedditなどのプラットフォームで見たと話しており、仕事を通じて国による評価傾向の違いにも触れていました。
“We easily give five stars if it was just good. But I heard Japanese people would just rate three or two and a half stars.”
「私たちは良ければ簡単に5つ星をつけます。でも、日本人は期待通りでも3点や2.5点をつけることがあると聞きました」
— ベルギー人一人旅の女性
ベルギー人女性も同様です。彼女は、日本のレビューシステムは自分たちの国と違うと聞いていました。自分たちは「良かったら簡単に5つ星をつける」が、日本人は期待通りでも3点や2.5点をつけることがある、という理解を持っていました。
これは、日本の店舗にとって非常に示唆的です。
日本人のレビューは、時に厳しく、星の数も控えめになりがちです。そのため、店舗側から見ると「3.8しかない」「4.0を超えていない」と不安になることがあります。
しかし、日本に慣れた外国人旅行者の中には、日本人の評価が厳しいことを前提に読んでいる人たちがいるのです。
つまり、星の数だけがすべてではありません。
“I will check the lower rates and what people said about. Because maybe it’s just a misunderstanding. Between cultures.”
「低評価の内容を見ます。文化の違いによる誤解かもしれないので」
— アメリカ人の30代女性
むしろ重要なのは、レビューの中身です。
- 何について低評価がついているのか
- 食事やサービスに関する不満なのか
- 決済方法や待ち時間への不満なのか
- 外国人観光客の期待違いなのか
- 文化的な誤解なのか
- 最近のレビューはどうなのか
こうした文脈まで見られています。
あえてローカルな声を探す心理
ベルギー人女性は、日本語レビューを好む理由について、「観光客向けではない場所を探しているから」と話していました。
アメリカ人女性2人組も、TripAdvisorを少し使ったものの、英語圏のレビューは「obnoxious」と感じたと話しています。彼女たちは、日本に来て西洋料理や快適さを求めているわけではなく、むしろ農泊や家族滞在のような体験を求めていました。
この層に対して、「外国人に人気です」「英語対応しています」だけを強調しても、必ずしも刺さりません。むしろ、彼らが求めているのは、ローカルであることへの信頼です。
もちろん、英語対応が不要という意味ではありません。ベルギー人女性は、メニューが日本語だけだと「英語がまったく通じない場所なのでは」と感じ、失礼にならないか不安になるとも話していました。
ここで大切なのは、バランスです。
外国人向けに過剰に寄せる必要はありません。しかし、最低限の安心材料は必要です。
- 英語メニュー、または写真付きメニューがある
- Googleマップ上の情報が正確
- 営業時間が最新
- 写真で雰囲気が分かる
- 日本語レビューがきちんと蓄積されている
- 必要な場合はGoogle翻訳で理解できる情報がある
この状態が、ローカル感と安心感の両立につながります。

低評価の捉え方:星の数だけで判断しない旅行者たち
外国人観光客は、低評価を見たらすぐに避けるのでしょうか。
答えは、人によるが、我々の想像以上に文脈を見ています。
もちろん、低評価を避ける人はいます。ドイツ人男性は、特にレストランでは低評価を避けると明言していました。十分なレビュー数がある場合、4未満は疑わしいとも話しています。
フランス人男性2人組も、星が低ければ避けると話していました。
一方で、アメリカ人女性やカナダ・フィリピン女性、ベルギー人女性は、低評価をかなり柔軟に見ています。
ここに、店舗側が理解すべきポイントがあります。
低評価そのものよりも、「なぜ低評価なのか」が見られているのです。
「クレジットカード不可」などのクレームは気にしない
アメリカ人家族の回答は、非常に分かりやすい例です。
“If the complaints are just that they don’t take credit card, that doesn’t matter to us. We can pay cash.”
「クレジットカードが使えないという不満だけなら、私たちは気にしません。現金で払えますから」
— アメリカ人家族
彼らは、食事やサービスに関する不満が多ければ避けると話していました。一方で、低評価の理由が「クレジットカードが使えない」という内容であれば、気にしないと答えています。現金で払えばいいからです。
これは店舗側にとって大きな示唆です。
すべての低評価が、同じ重みで見られているわけではありません。旅行者は、レビューを読みながら、自分にとって問題かどうかを判断しています。
例えば、以下のような低評価は、旅行者によってはそれほど問題視されない可能性があります。
- クレジットカードが使えない
- 店が狭い
- 待ち時間がある
- 英語が通じにくい
- 現金のみ
- 観光客向けではない
- 店員があまり話さない
一方で、避けられやすいのは次のような内容です。
- 食事がおいしくない
- 衛生面に不安がある
- 営業時間が間違っていた
- ぼったくり感がある
- 注文や料金でトラブルがある
アメリカ人家族は、喫煙可というレビューを見て、食事中に煙を吸いたくないため、その店を避けたとも話しています。つまり、店舗側は低評価をただ恐れるのではなく、来店判断に直結する不安を放置しないことが重要です。
喫煙可・禁煙、現金のみ、予約可否、英語メニューの有無、混雑時間、子連れ可否などは、あらかじめGoogleビジネスプロフィールや写真、投稿、メニュー情報で明示しておくべきです。
評価3点台でも来店を決める理由
カナダ・フィリピンの女性2人組は、かなり興味深い体験を話していました。
“It has a very bad review in Google, like three point something. But I ate there twice because it’s good.”
「Googleでは3点台でかなり悪い評価でした。でも、おいしかったので2回行きました」
— カナダ・フィリピンの女性旅行者
Googleで3点台の低評価がついていた高山のラーメン店に、2回行ったというのです。最初に行った理由は、「お腹が空いていて、その時間に開いていた唯一の店だったから」。しかし、実際にはおいしかったため、再訪しています。
ここから分かるのは、評価が完璧でなくても、来店される場面はあるということです。
特に旅行中は、以下のような要素が強く働きます。
- 今いる場所から近い
- 今開いている
- 他に選択肢が少ない
- 写真がおいしそう
- ローカル感がある
- 口コミ数が一定数ある
- 悪いレビューの内容が自分には関係ない
ドイツ人男性の回答も重要です。
“First of all, you normally check how many ratings are there. If you have five ratings, you don’t go there. If you have 5,000 ratings, then it gives you a proper good average.”
「まずレビュー数を見ます。5件しかなければ行きません。5,000件あれば、きちんとした平均値だと判断できます」
“If it is long time existing, no reviews. Something is wrong. Something is definitely wrong.”
「長い間営業しているはずなのにレビューがないなら、何かがおかしい。間違いなく何かがおかしいと感じます」
— ドイツ人60代ビジネスマン
彼は、星の数だけでなく、レビュー数を見ていました。5件しかレビューがない場合は信用しにくいが、5,000件あれば平均値として信頼できると話しています。また、レビューがまったくない店は、特に長く営業しているはずの店であれば suspicious、つまり怪しいと感じるとも述べています。
ここで店舗が意識すべきなのは、レビューの点数だけでなく、レビューの量と鮮度です。
星4.8でもレビューが3件しかなければ、不安に感じる旅行者もいます。一方で、星4.1でもレビューが数百件あり、最近の写真やコメントが多ければ、安心材料になります。
特に外国人観光客にとって、レビューは「評価」だけではありません。
その店が今も営業していて、実際に人が訪れていて、期待値を大きく外さない場所かどうかを確認する材料です。
日本ブランドの強さ:ローカルビジネスが無条件で信頼される理由
今回のインタビューで何度も出てきたのが、「日本だから信頼できる」という感覚です。
“Japan has a very good reputation internationally for honesty and good business practices. In Japan, our default is to trust local businesses.”
「日本は、誠実で良い商習慣がある国として国際的に高い評判があります。日本では、私たちは基本的にローカルビジネスを信頼しています」
— アメリカ人家族
アメリカ人家族は、日本には正直で良いビジネス慣行があるという国際的な評判があり、現地のビジネスを基本的に信頼していると話していました。これまで信頼しない理由を与えられたことがない、という表現も印象的です。
“I think because it’s Japan. But it feels safe.”
「日本だからだと思います。安全に感じます」
— フランス人男性旅行者
フランス人男性2人組も、日本のビジネスは安全で、公平に感じると話しています。観光客からお金を取ろうとするような印象が、フランスなどに比べて少ないというニュアンスでした。
やや冗談まじりではありますが、ここには強いインサイトがあります。
日本の店舗は、最初から高い信頼の上に立っているということです。
これは、非常に大きなアドバンテージです。
海外の旅行者にとって、日本のローカル店舗は、基本的に「危なそう」「だまされそう」という印象から始まっていません。むしろ、多くの場合は「きっとちゃんとしているだろう」「清潔だろう」「おいしいだろう」という期待から始まっています。
しかし、ここで油断してはいけません。
信頼があるからこそ、Googleマップ上の情報が不足していると、逆に不安が生まれます。
- 営業時間が不明
- 写真が少ない
- 外観が分からない
- レビューが古い
- メニューが見えない
- 現金のみかどうか分からない
- 予約が必要か分からない
- 英語がまったく通じないのか分からない
こうした情報不足は、せっかくの「日本だから安心」という信頼を、来店直前で弱めてしまいます。
つまり、日本の店舗がやるべきことは、外国人向けに過剰な演出をすることではありません。
すでに持っている信頼を、Googleマップ上で失わないことです。
これは、広告よりも先に取り組むべき基本施策です。
まとめ:店舗が今すぐ取り組むべき3つのアクションプラン
今回の8組20名のインタビューから見えてきた結論は、シンプルです。
外国人観光客、特に日本を深く楽しもうとする「日本ファン」は、Googleマップを中心にお店を探しています。しかし、彼らは星の数だけで機械的に判断しているわけではありません。写真、距離、営業時間、レビューの内容、日本語レビュー、レビュー数、最近の投稿、そして「日本らしい信頼感」を総合的に見ています。
店舗が今すぐ取り組むべきことは、次の3つです。
- Googleマップを「情報が揃っている店舗ページ」として整備する
Googleビジネスプロフィールの営業時間、住所、電話番号、決済方法、メニュー、写真を最新化してください。特に、外観・入口・店内・代表商品・メニュー写真は重要です。外国人観光客は、写真を見て「入って大丈夫か」を判断しています。 - レビューは点数だけでなく、量・鮮度・内容を優先する
星の数だけを追うのではなく、継続的にレビューが増えている状態を作ることが重要です。レビューが少ない、古い、まったくない状態は不安材料になります。また、低評価がついた場合も、内容を見て返信し、誤解や不安を減らすことが大切です。 - 「ローカル感」を消さないこと
日本ファンの旅行者は、観光客向けに作られすぎた店よりも、地元らしい店を好む傾向があります。ただし、完全に情報がないと不安になります。英語で完璧に発信する必要はありませんが、英語メニュー、写真付きメニュー、決済方法、禁煙・喫煙、予約可否など、来店前の不安を減らす情報は出しておくべきです。
インバウンド集客というと、大がかりな広告やSNS運用を想像しがちです。
しかし、今回のインタビューを見る限り、最初にやるべきことはもっと基本的です。
外国人観光客がすでに見ているGoogleマップ上で、選ばれる状態になっているか。
ここを整えるだけでも、来店機会は大きく変わります。
日本の店舗には、すでに「日本だから信頼できる」という強い追い風があります。その信頼を、情報不足や古い写真、放置されたレビューで失わないこと。
それが、インバウンド時代のローカルビジネスにとって、最も現実的で効果的な第一歩です。